【片づけストーリー1】「捨てる物はない」と言い切る家族の対処法|整理術

 おかげさまで今年の夏季休業中も、片づけサービスの現場が入りました。

役に立つ片づけのコツや心がほっとするエピソードを中心にお伝えしてまいります。

「捨てる物は一切ない」と言い切る家族の対処法と整理術

寝室は、大切な物であふれています。
とくにご高齢の方にとっては、枕元に大切な物を置く習性があります。
先月片づけサービスに伺った70代の親の家では、すぐに手が届くようにと頭の上にラックを置いて、化粧品から、アメ玉に至るまで、こまごまと置いてありました。

部屋のいたるところに、ビニール袋に入った物が置いてあったり、ダンボール箱に入った物も見かけます。部屋中、袋だらけですが、ご本人にとっては、意味ある大切なものなのです。
ハデハデな洋服だって、娘が着るかもと意味付けをして、捨てるという発想はないのです。

先月お伺いした70代のお母様のお部屋も、旅行の記念小物であふれていました。
旅行先のコンビニで買ったペットボトルのお茶のレシートまで、ジップロックやクリアファイルに入れて保存してあります。

仲間や家族ととった写真も、ごっそりレジ袋やジップロックにはいっています。
袋に入れた瞬間に安心して忘れてしまい、見直すこともなく、静かに忘れられていきます。
お土産のはいったレジ袋の色は、すでに茶色に変色しているものも、たくさんあります。

そういう「袋収納」の多いお宅では、写真のネガが大量にはいっている紙袋がよくあるのも、お約束です。たいてい、あけた形跡はなさそうで、歴史を感じさせます。

寝室だけではなく、居間だって、おみやげの小さなキーホルダーや、のみかけの薬、読みかけの本、爪切り、耳かき、数本のはさみ、書けないボールペン、健康飲料と一緒に、テーブル周りのごちゃごちゃの風景を形成しています。

「捨てない人」の対処法

物は、持っている人の意味付けで、物としてそこに存在します。
とくにご高齢の方にとっては、すべて意味があるので、全部大切なものです。

大切な物を捨てろと言っても、先に進みません。

捨てなくても片づく方法があることを伝え、例えば、寝室の頭周りに物があると万が一の時に危険であることを伝え、少しづつ理解してもらいます。

「捨てない整理術」

ご本人と一緒に、丁寧に一つひとつ取り出して、仕分けていきます。
「捨てずに仕分け」が基本です!

薬や医療品、
爪切りやハサミなどの生活用品、
写真

それまで捨てる物はないといっていた方でも、爪切りやハサミが数個ずつ出てくると、たいてい壊れた物を処分していただけます。

そんなちょっとしたものから捨てていければ大成功です。居間の手が届く範囲のものがスッキリしてくると、達成感が感じられ、片づけて良かったとさえおっしゃいます。

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